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おとといは兎を見たわ 昨日は鹿

2007年11月04日 05:39

CLANNADのことみシナリオで、とても印象に残るこのフレーズ。

「おとといは兎をみたの。昨日は鹿。今日はあなた」

これについて衝撃の事実を知りました。

これって、とある小説の一文だったんですね。
って、エンディングのスタッフロールをちゃんと最後まで見る人なら、普通に知っている事ですか…そうですか(汗)

でも私は、これをはじめて知り、その小説を読んだ時、一瞬全身に鳥肌が立ちました。


…これ…すげぇ…


というわけで、ネタバレ全開で「ことみシナリオの一文」について書きたいと思います。
例によって未プレイの方はここまでで。

でも、この小説の内容を知っていると、ことみシナリオの見方が変わるかもしれません。
ただ…ことみシナリオ自体、アニメでちゃんとやってくれるのかどうかわかんないだけどね。


(続きはこちら(↓)へどうぞ)


---------------------------

~ Day before yesterday I saw a rabbit,
  and yesterday a deer, and today, you ~
「おとといは兎をみたわ。きのうは鹿、今日はあなた」

これは「The Dandelion Girl」(訳題:たんぽぽ娘)で少女が語る台詞です。
もう50年近くも前に出版されたSF短編小説で、今では絶版になっているそうです。

ことみが一番大切している「古い革の表紙の本」は、このたんぽぽ娘なんですね。
そしてことみシナリオで最も重要なシーンで、彼女は言います。

「一昨日は兎をみたの。昨日は鹿、今日はあなた」


これは、ずっと家でひとりだった彼女が、「今日は朋也を見つけた」、
「ずっとひとりだったけど、朋也は私のそばにきてくれた…。ありがとう」
という意味で言ってるのだと思っていたのですが、
「たんぽぽ娘」を読んでからもう一度聞くと、全然違うように感じました。


というわけで、ざっくりと「たんぽぽ娘」のあらすじでも。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

休暇を静かに自然の中で過ごそうと、山小屋を訪れていたマーク。
一緒に来ていた妻は急な用事で先に街へ戻ってしまい、彼はひとりでゆっくりと休暇を満喫していました。
心配事といえば、最近なにか不安そうな目を見せる妻と、息子の将来について程度。
それでも休暇くらいはと、静かな生活を楽しんでいました。


そんなある日、彼は丘でひとりの少女と出会います。

彼女の名はジュリー。
たんぽぽ色の美しい髪に白いドレスの少女。
そのドレスは、綿菓子と海の泡と雪を混ぜ合わしたような不思議な白色をしていました。
年はハタチほどで、44歳のマークには子供にしか見えないはずなのですが、それでも彼は彼女に恋をしてしまったのです。


ジュリーは不思議な娘で、自分は「タイムマシンで未来から来た未来人だ」と言います。
未来では失われてしまった自然や動物を見に来ているのだそうです。
「おとといは兎を見たわ。昨日は鹿。今日はあなた」
そう言って笑うジュリー。
マークもその話にのってあげ、二人は楽しく会話を続けます。

未来では自然も動物ももう見れないという事。
本が好きで、そこに書かれた自然や動物が大好きとだという事。
ジュリーの父親が、タイムマシンを発明したのだという事。

そして、タイムトラベルは普通は許可されていないのだという事も、

タイムトラベルは過去に干渉して歴史を変えてしまいかねないので、特別な許可がないと出来ないのだそうです。
しかしジュリーは許可を取らずに来ていました。
それは父親がマシンを作成していたから可能であり、父親自身の「理論」を信じているからでした。

父親の理論とは、
「時間」とは唯一にして絶対であり、未来人が過去に戻っていくら干渉しようと、それは変えられるようものではない
…というもの。

彼女は父の考えを信じています。
そして、大好きな自然や動物や「書物」に会うために、それを大好きな父に話して聞かせるために、この時代へ来ているのだそうです。
危険を冒してまで。


マークはその話を信じたわけではありませんでしたし、そもそも彼女が嘘をついているかどうかなんて興味はありませんでした。
ただ彼女と一緒に、穏やかに話ができればそれでよかったのです。

この丘で彼女と会い、お喋りをして「また明日」といって別れる。
それだけの穏やかな日が繰り返されました。


そんなある日、彼女は姿をみせなくなります。

心配するマークの前にふたたび現れた彼女は、いつもの白いドレスではなく、黒い喪服を着ていました。
…お父さんが亡くなったの…
そういって泣き崩れるジュリー。
しかも彼女は、無断でタイムトラベルした罪で時空警察に追われているのだそうです。
そのうえ、タイムマシンが故障しており、もうここへは来れないかもしれないと…。

別れ際、「また会えるよな?」と尋ねるマークに、ジュリーは答えます。

「そのつもり。でもダメだった時のためにこれだけは覚えていて欲しいの…」

「…あなたが、好きです」


その後、彼女がマークの前に現れる事はありませんでした。



彼はジュリーを探して街を訪ね歩きますが見つかりません。
家に帰ると妻がいますが、いつも考えるのはジュリーの事ばかり。
夫婦の会話は少なくなり、妻の不安そうな目はさらに深く暗くなっていきます。


そんなある日、マークは自宅でスーツケースをみつけます。
それは妻のアンが、結婚した際に唯一持ってきたものでした。
妻は中身については秘密にしていましたし、マークも開けて見た事はありませんでした。

彼は鞄を開けます。
そしてその中から現れた物は…


…綿菓子と海の泡と雪を混ぜ合わしたような、不思議な白色のドレス。
ジュリーのあのドレスでした。


妻は、ジュリーだったのです。

時空警察に追われた彼女は、最後のタイムトラベルでマークの若い頃の時代に跳びました。
そしてそこでわずかな望みを託して、20年前の彼に会いに行ったのです。
…偶然を装って。


彼女が託したわずかな望み。
それは父親の理論でした。

~時間とは唯一にして絶対であり、未来人が過去に戻っていくら干渉しようと、それは変えられるようものではない~

つまりそれは、未来も過去もなにも変わらない、変えられないという事。
マークの「私に優しくしてくれた」という好意は、過去の彼でも同じように持っているのだ…という願い。

気持ちは変わらない。
好きという気持ちは、現在過去未来…なにに干渉されようとも普遍で揺るがない…はずだ。
そんな願いを支えにして、彼女はマークの前に「戻ってきた」のです。


そして、妻の不安そうにマークを見る目の訳にも気づきます。
彼女は、今年の休暇に、夫が丘で少女に恋をするのを知っていたのです。
それは彼女にとって、遠くせつない記憶です。

そして彼女は不安になったのでしょう。
年老いた今の自分と、若くはつらつとした20歳の自分。
愛する夫の目にはどう映るのだろうか…と。

妻の不安の理由を理解した瞬間、マークの頭からジュリーの事は消えていました。
彼は雨の街の中、帰宅する妻を迎えに行きます。
そしてふたりは20年ぶりに再開し、愛を確かめあったのです…。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ぎゃああ。
あっーまあああぁぁぁあ~~い!


って、これが「たんぽぽ娘」のあらすじです。

ここで語られるのは「変わらない愛」。
20年前、24歳のマークは事務所に来た秘書見習いの少女(本名ジュリーアン)に恋をして、結婚します。
そして20年後、44歳になったマークは、同じように20歳のジュリーアンに恋をするのです。

その2人の少女が同一人物だとわかっていなくても、
時を越えて同じように恋に落ちるのです。

「歴史は変わらない。なにも変わらない」

それがこの小説のテーマなんじゃないかと思っています。


で、CLANNAD。

ことみと朋也も同じです。
子供の頃に2人は出会い、お互いに好きになります。
そして時が経ち高校生になった朋也は、相手があの少女だと知らないままに、また彼女を愛します。


ことみは、大好きだったあの少年と再会できた事を喜びました。
ですが、その内に彼が自分の事を忘れてしまっているのだと気づきます。

だけど、それでも気持ちは…
あの頃、私の事を好きだと思ってくれていた、彼のあの「気持ち」は、時間に干渉されていても変わらない、はず。
…あの本のように。

そう願いを込めて、ことみは言うのでしょう。

「おとといは兎をみたの。昨日は鹿、今日は…あなた」

子供の頃に朋也くんと一緒に何度も読んだ本。
内容を一文字残らず暗記してしまう程に読み返した本。
もちろん、一緒に読んだ朋也もその本の意味を知っていたはずです。


だからこそ、あの場面で朋也はことみにこう語りかけるのです。

「君はタイムマシンでここに来たんだね」



あーーーーー。泣くぞーーーー!
っつか泣いたぞーーー!!


っつーか、なんという脚本じゃ。
ここまで練りに練った構成って、久しくお目にかかってないわ。
なんというか、ジェンガを一本づつ逆に組んでいく感じ。
パズルのピースをひとつひとつ張り合わせていっているようなプロットですわ。

しかもCLANNADのメインテーマは「変わっていく世界」です。
良い方向でも悪い方向にでも、世界はどんどん変わっていき、それはとめる事ができない巨大な力なんだ…というのがCLANNADの根本にあります。

そんな中で「決して変わらない」というテーマを持ってくるセンスに脱帽。
いや、もちろんことみシナリオでも変化はあります。
変わらないものはないのです。
その「変わらないモノ」と「変わっていくモノ」という矛盾した世界観を同時に展開して、ひとつのお話にまとめているのに鳥肌が立ちました。


なにも知らないで見てもちゃんと話になっていて泣けて、
「たんぽぽ娘」を読んでから見直すと、キャラのセリフがまったく別の意味にとれて、また泣ける。

一粒で二度美味しいとは、まさにこの事だね。


というかさ…。

アニメのOPのことみのカットに、たんぽぽの綿毛を吹くシーンをいれてる京アニって…。
(ちなみに原作にこんなシーンはありません)

たんぽぽ娘にかけてんだよな…あれ。
アニメの監督さんって…どんだけCLANNADマニアなんだ…
マニアっつか、もうコアオタクの域に達してるぞ、まじで。



~~~~~~~~~~~~~~~

この「たんぽぽ娘」ですが、今は絶版になっていて手に入れる事は出来ません。
でも、外国のサイトで原文は発表されているので読めますよ(全文英語ですが…)

また日本の有志の方が翻訳もされています。
私はここで読みました。

たんぽぽ娘―“Dandelion girl”(1)
たんぽぽ娘―“Dandelion girl”(2)
たんぽぽ娘―“Dandelion girl”(3)




コメント

  1. 羽林秀介 | URL | CBGiEf.2

     原作をクリアして、たんぽぽ娘という小説の一文だとまでは知っていましたが、こんな内容だったんですか!
     ことみがそんな気持ちであの言葉を言っていたなんて;;切ないですね~;;

     これは、原文を読まざるをえない。

  2. とりのすけ | URL | -

    こんばんは、はじめまして。
    CLANNADのTBではいつもお世話になっております^^

    私も最初は全然知りませんでしたよ。
    っつか、小説の一文だとすら知らなかったありさま…。
    ことみの心境についてはあくまで私の想像なのですが、もしそういう気持ちで発した言葉なのなら、本当に切ない台詞ですよね。

    アニメ、みました!
    演出すごすぎ。今後の期待がいっそう高まりました~。

    原文ですが、リンクからトベるトコがいいですよ。
    とっても読みやすいです。

  3. ふぐ | URL | -

    Re: おとといは兎を見たわ 昨日は鹿

    今さらながらCLANNAD攻略してます…
    アニメでもゲームでも最も泣いたことみルート、裏にはこんな事情があったんですね!
    たんぽぽ娘、読んでみようと思います。
    きっかけをありがとうございました!

  4. 流れの冒険者 | URL | -

    Re: おとといは兎を見たわ 昨日は鹿

    何ということだ・・・

  5. | URL | -

    Re: おとといは兎を見たわ 昨日は鹿

    検索してたまたま飛んできました。。この日記を読んで鳥肌が立ちました。。ありがとうございました

  6. ななし | URL | -

    Re: おとといは兎を見たわ 昨日は鹿

    ほんとありがとう

  7. YNO | URL | mhQZtlZc

    Re: おとといは兎を見たわ 昨日は鹿

    どこかのブログでギャグとして使われていた「おとといは兎を~」というフレーズ、元ネタはなんだろうと検索をしてここにたどり着きました。

  8. とみこ | URL | 2PRdxZIg

    やっぱりことみルートが一番好きですね。
    「ビブリア古書堂」でも紹介されてまして、たまたまここにたどり着いただけですが。

  9. らすかるん | URL | -

    なにこれすごい

    2013年3月、とみこさん同様私も今ドラマであってますビブリア古書堂を見てことみのセリフだと気づき、調べてみてこのブログを見つけました。

    私はアニメの方を見ていてクラナドを知りました。TV放送時に見ていていたのでこれも何年前になるんでしょうかねー。
    見ていた時はことみがそのセリフの内に伝えようとしていたものなど全くわかっていませんでした。


    クラナドのことを思い出してあれってどういう意味なんだろなーとか思ってて、管理人さんの解説を見てびっくりしました。
    シナリオすごすぎっ!みたいな驚きです。
    こんなにもシナリオが練りこまれていたなんて。


    ことみルートってすごいロマンティックだったんですねぇ。

    またことみルートの部分を見直したくなってきました。

  10. もっちゃん | URL | -

    ありがとうございます

    私も、ドラマからこちらにたどりつきました。
    ことみのセリフが印象深くて、すぐにCLANADだぁ〜と、気が付きました。
    こちらで紹介して頂かなければ、わからなかったですね。
    そんなに深かったの…

    時間ができたら、また、アニメ見直します。(DVDに録画済み)

  11. slilivofs | URL | tEAGqdP6

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